昨日は、娘のピアノの先生のコンサートだった。娘はそのコンサートで「譜めくり」という責任重大な仕事を任されていた。
譜めくりをしてほしいと頼まれたのは2か月くらい前のこと。最初は「1回くらいめくるだけだから」というような話だったので、軽い気持ちで引き受けたらしい。ところが、日が近くなって打ち合わせをしてみると、ほとんどの曲で譜めくりをすることが判明したのだった。
「安請け合いしなきゃよかった」と面倒くさがる娘をよそに、私は「夢がひとつかなった!」と思っていた。
実は私は以前からあの「譜めくり」のポジションに、あこがれを抱いていた。ピアニストの左斜め後ろに控えめに座り、楽譜を目で追いながら、ちょうどいいタイミングでそっと立ちあがり、ページをめくり、そしてまた控えめに座る。誰なのかしら?ピアニストとはどういう関係なのかしら?譜めくりの練習はするのかしら?音大とか行ってる優秀な人なのかしら?なんなのかしら?・・・・素人には謎だらけの「譜めくりすと」、まるでピアニストの秘書のようだ。いつか娘がアレをやる時がくればいいなあ、ほわわわーん(空想している音)、なんて思っていたのだった。
去年のピアノ発表会で他の生徒の譜めくりをしたことはあったが、今回はプロの譜めくり。譜めくりメジャーデビューである。
しかし実際、譜めくりっていうのは楽譜ももらわないし、曲名だけ教えてもらってハイ本番~って感じなのだった。知らない曲ばっかりなのに、なんと当日の朝に娘はあわててYouTubeで探して聴いている始末。
私「そんなんで大丈夫なのか・・・?」
娘「わからん・・・」
チケットが売り切れだったので結局私は家で留守番だった。夕方娘からメールが来て、なんとかなったとのことだった。(なんとかなるもんなんだ・・・)
2時間くらいのコンサートだったのだけど、娘曰く「集中力ハンパなかった!!」そうだ。そりゃそうだろう。ずっと初見の楽譜を見てなきゃいけないんだから。しかし、最初は緊張していたものの、だんだん慣れてきて、最後の方には「終わったら吉祥寺で何買おうかな~」とか考える余裕が出てきたのだとか。先生もお客さんもまさか娘が横でそんなこと考えてるとは思わなかっただろう。おそろしい・・・。何も起こらなくてよかった。
アルバイト代は3000円とお花。娘は「割に合わない」といっていたが、大人だらけの世界で、いろんな勉強ができたんじゃないだろうか。そして、職に困ったら「譜めくり」が役にたつかもしれない!
6/4